TOEIC 受験記

藤田五郎

第281回 (2021.10.24) TOEIC (午後) 感想

前回もそうだったが、試験が終わってから二週間以上が経過、試験の結果がネットで判明する(それも今回は後 10 分ほどで)日に試験の感想を上げる。試験当日に上げれば良いものを、kick the can down the road 宜しく、面倒なことは先延ばしに先延ばす己の気概の無さには我ながら辟易する。

 

【フォーム】

回転ドアフォーム

 

【寸評】

P1: 標準

見た瞬間に途轍も無い既視感に襲われた写真が一つあった。しかし、調べてみると、似ていただけで、同じ写真ではなかった。(似ていたのは 2020 年 6 月に韓国で出版された ETS 公式 test1 の P1 の 5 番目の問題の写真。)

 

P2: やや易

迷った問題は一つも無かった。

 

印象に残ったのは、序盤の方で登場した a fabric cutting machine という語句。この時点では特に意識していなかったが、P4 と P7 のそれぞれ一番最後のセットで生地に関する問題が出てきた時に、記憶が甦って来た。

 

P3: やや易

ここでも迷うことは無かった。

 

印象に残ったのは、ネットの通信速度が遅いとの苦情が舞い込んで来たカスタマーサポートのセット。但し、その理由は内容ではない。router を ˈruːtər ではなく ˈraʊtər と発音していた(それも英国女性が)からである。

 

P4: やや易

ここでもやはり迷った問題は無かった。

 

印象に残ったのは、既に触れた通り、生地屋の新人がやらかして上司がその後始末の電話を顧客に架けている一番最後のセット。このセットのグラフィック問題では undamaged の un が聞き取れなければ迷う羽目になる細工が仕掛けられていて、なかなか面白い問題だった。

 

そう言えば、この一つ前のセットで、routing number なる語句が登場していたが、ここでも routing は ˈruːtɪŋ ではなく ˈraʊtɪŋ と発音されていた。

 

P5: やや難

前回当たったフォームとは異なり、今回のこのフォームでは、正解を選ぶのに文構造の正確な把握が必要な問題が多く、通常よりも時間がかかった。また、恐らく日本人の多くが苦手だと思われる名詞の可算・不可算を問う問題もあった。

 

印象に残ったのは、and not something to の問題。

 

I want ------ to eat. 

 

なら、空欄に something を入れるのに困難を覚える人は殆どいないだろう。

 

ところが、

 

But it's meant to be a "snack" (a quick stomach filler) and not ------ to eat as a primary source of food. (japantoday.com) ※ it はカップヌードル

 

のように、文構造の複雑性が上昇すると、途端に something を入れるのが難しくなる。問題の核は基本的な事柄であっても、文構造次第で、難易度は幾らでも調節することができることを示す、格好の例である。

 

P6: やや易

迷った問題も印象に残った問題も無かった。

 

P7: やや易

シングルの序盤はやや難しいセットがあったが、中盤以降は難易度がグッと下がり、ダブルトリプルに至っては、今年度の中で最も単純な問題だった。

 

印象に残ったのは、外部から雇用したと見せ掛けておいて、実は社内昇進だったのセット。社外の人が面接を経て新しく職を得たものとばかり思い込んでいたので、レターの差出人が、最終段落で、受取人の職場での統率力やら何やらを唐突に褒め出し、「昇進おめでとう!」で文を結んだ時には、一体何のことを言っているのか、頭の中を整理できず、全く理解が追い付かなかった。「同じ会社で働いている(或いは、具体的な企業名だったか)」のような内容の選択肢を見て初めて社内昇進であることに気付くことができ、最終段落の内容に合点がいった。ああ、そういうことだったのか、と。そう考えれば辻褄が合うな、と。選択肢に救われたと同時に先入観の恐ろしさを改めて思い知らされた。(いや、単に自分の頭に柔軟性が無いだけか。)

 

【スコア予想】

リスニングはまず間違いなく 495 が出る。問題はリーディング。P7 がかなり簡単だったので、1 ミス地獄行きであることは必至。何とか全問正解しててくれ。

 

【会場】

TKP ガーデンシティ大阪梅田。今年 4 回目にして、前 3 回とも満点が出た縁起の良い会場。部屋は TOEIC の会場としては大きくも小さくもない普通の広さで、天井も普通くらいの高さなので、いつもの IIBC のホワイトグレーのスピーカーが演壇の上に一つ、という環境でも、音響は悪くない。その上、前の方(右端の列ではあったが)の座席だったので、音声ははっきりと聞こえた。都心部なのでアクセスは容易。(梅田の中心部からは西の方にやや離れてはいるが。)当たりの会場と言えるだろう。

第279回 (2021.10.03) TOEIC (午後) 感想

試験が終わってからもう二週間以上になる。(恐らく今日の正午にはネットで結果が分かる。)今更感はあるが、当日のメモを元に感想を書く。

 

【フォーム】

図書館フォーム

 

【寸評】

P1: 標準

道路から土地を区切っているたった二本の鎖をフェンスと言うのか、と思った。

 

P2: やや易

甲と乙、どちらにするか、を問われたのに対して、現在の状況を述べることによって返答とするパターンの問題が印象に残った。

 

A: 電車で行く?車で行く?

B: 最寄り駅で人身事故があったらしいよ。(だから車で行こう。)

 

P3: 標準

最初の 4 セットが難しく感じられたが、それ以降は平易な出題だった。グラフィック問題も迷う要素が無かった。

 

印象に残ったのは、生物工学産業の前途についての生物工学専門家たちによる論評を掲載した社内報のセット。このセットには、biotechnology と聞こえたからと言って、そのまま考え無しに biotechnology を含む選択肢を選ぶと、ドボンになる設問があった。細部まで理解しているかどうかを試す設問で、難易度が高かった。

 

P4: 標準

難しく感じられた箇所は無かった。このパートでもグラフィック問題は迷う要素が無かった。

 

印象に残ったのは、plant nursery のセット。germination chamber という多くの受験者にとっては馴染みが無いと思われる用語が登場した。

 

他には、送電線の有無に応じて、動力源として電気かディーゼルかの切り替えができる機関車のセットも印象深かった。

 

P5: やや易

語彙問題が多く、文構造を問う問題が少なかったように感じられた。語彙問題は知ってさえいれば瞬殺できるので、今回のこのパートはサクサク解き進めることができた。

 

P6: 標準

ドレインパイプ設置のセットと半導体工場建設のセットの文補充で、どの選択肢もしっくり来ず、結構迷った。しかし、この二つ以外の空所は瞬殺レベルだったので、全体としては標準、ということになる。

 

P7: やや易

シングルダブルトリプルも軒並み本文が読み易かった。一方で、選択肢は持って回ったような言い回しのものが多かったように感じられた。中でもギョッ!としたのが、a commitment to historical accuracy という表現。駅建設に当たり、周辺区域の由緒ある伝統的な街並みへの配慮の確約を言い換えたものであるが、historical accuracy なんて、まるで戦争責任を巡る論争で飛び交いそうな文言のような語感があり、この文脈には似つかわしくないな、と思った。

 

【スコア予想】

リスニングはまず間違いなく 495 が出る。全問正解している可能性すらある。リーディングはかなり易しく感じられた。1 ミスアウトだった 8 月より易しかったと言っても過言ではない。それだけに不安。どこかでミスしていなければ良いが。

 

【会場】

開明中学校・高等学校という、初めての会場だった。さらに TOEIC で高校(或いは、中高一貫校)が会場になったのは初めてだった。そして、下足禁止TOEIC では初めてだった。その下足禁止で驚いたのは、上履きを持参せず、靴下で彷徨いていた受験者の何と多かったことか。いくら下足禁止でも、学校の廊下が綺麗なわけがない。汚いに決まっている。僕は特段綺麗好きでも潔癖症でもないが、それでも上履き無しで校舎を歩くなど到底考えられなかったので、多くの受験者の靴下姿には心底驚かされた。

 

さて、上履き持参という面倒な会場だったが(快晴だったので余計な荷物があっても大きな支障は無かったが、もし雨が降っていたらと想像すると、ゾッとする)、30人入るか入らないかくらいの規模の教室での受験だったため、音環境は最高だった。スピーカーはいつもの IIBC のホワイトグレーのスピーカーだったが、音声はこの上なくクリアに聞こえた。9 月の音環境最悪のリバーサイドとは雲泥の差だった。

 

自転車で行ける距離にあり、受験票にも自転車での来場禁止は明記されていなかった(車は禁止だったが)ので、自転車で行った。森ノ宮小学校から市環境局工場跡辺りの道路が非常に汚かった(途中で飛び散ったビール瓶の破片を思いっ切り自転車のタイヤで踏ん付けてしまい、結構焦った)のと、京橋付近の道路の凹凸が酷かったのを除けば、比較的快適な道程だった。自転車置き場は、パッと見た感じ、それほど広くなかった。従って、自転車での来場が禁止されていなかったとは言え、もし受験者の大半が交通手段として自転車を利用していれば、大変な事態になっていただろう。(そんなことは起こり得ないだろうが。実際、自転車で来ていた受験者はほんの数人しかいなかった感じだった。)

 

結論としては、上履き持参は天候次第で厄介だが、音環境は最高なので、この会場に当たれば、比較的幸運だと言えるだろう。

第277回 (2021.09.12) TOEIC (午後) 感想

下書きのまま、公開し忘れていた。試験から一週間以上経つが、一応公開しておく。

 

【フォーム】

カゴ持ちフォーム

 

【寸評】

※音響最悪のハズレ会場だったため、リスニングの難易度評価は的外れかも知れない。

 

P1: 標準

このパートはまだ何とか聞き取れた。

 

P2: やや難

聞き取り辛いのが幾つかあった。音響がまともな会場なら、余裕で聞き取れていただろう。

 

P3: 難

全体的に厳しかった。とにかく聞こえる音が小さいので、どうしようもなかった。グラフィック問題の一つにおいて、人物名が聞き取れなくて、勘マークになった。印象に残ったのは、害虫対策として害虫の天敵導入を推奨される農家の話。英検で登場しそうな話題だな、と思った。

 

P4: 難

余りにも聞こえ辛くて、何度も戦意を喪失しそうになった。床張替のセットの二つ目と三つ目の設問が、完全に勘マークになってしまった。

 

P5: 標準

一つだけよく分からない問題があった。その問題はどうやら間違えた模様。まさか facility に、

 

● a special feature of a service or machine, which offers the opportunity to do or benefit from something (ODE)

 

なんて意味があるとは、思いも寄らなかった。日本語で言う「機能」という意味だ。

 

ex. The software's ‘list’ facility allows users to compile their own list. (OALD | Extra Examples)

 

P6: やや易

印象に残った問題は特になし。

 

P7: 標準

シングルは概ね平易で、英文の量も標準的だった。ダブルは、直近数回と比べると、目に見えて易しかった。量が少なめで、設問も解き易かった。トリプルは、英文の長さは標準的だったが、人物名や地名、企業名がたくさん出て来て、内容を整理しながら読むのに苦労した。191 番で迷ったが、正解の選択肢を選べたはず。恐らく。

 

【スコア予想】

リスニングもリーディングも不安。990 が出るかも知れないし、980 という残念な結果に終わるかも知れない。

 

【会場】

TKP ガーデンシティ大阪リバーサイド。今回で三回目の会場にして、二月には今年度のリスニングで唯一の黒星を喫した会場でもある。梅田や御堂筋、そして心斎橋南船場の TKP とは異なり、ここは、部屋が広大な上、天井がやたらと高いため、音響が最悪レベルの会場。施設の音響設備を使えばいいのに(試験監督者が使用するマイクの音は後方からも聞こえていた!)、何故か、TKP 会場でお馴染みの、演台にホワイトグレーのスピーカーが一台、という音環境。前の方の人はそれでも十分に聞こえるだろうが、後ろの方の座席に割り振られると、その時点で詰み。運悪く後ろの方の座席に当たり、本当に聞こえ辛かった。出来ればもう当たりたくない会場だが、コロナの終わりが見えない今、この会場とは長い付き合いになりそうな予感。音環境の良い大学で受験していた頃が懐かしい。

第275回 (2021.08.22) TOEIC (午後) 感想

【フォーム】

荷物見下ろしフォーム

 

【寸評】

P1: やや易

迷った問題なし。

 

P2: やや易

「その返答は無理があるやろ」と思わざるを得ない選択肢が正解の問題が幾つかあったが、他の選択肢が余りにも的外れだったため、特に迷った箇所はなかった。

 

P3: 難

難しかった。序盤のフィットネスセンター開設準備のセットと、当局と記者の自転車シェア事業を巡る質疑応答のセット、そして中盤の庭園用の岩を庭に置いて行くセットが、とりわけ難しかった。

 

P4: やや難

95-97 のグラフィックの設問が全く分からず(聞き取れなかった)、勘マークになってしまった。

 

P5: やや易

迷った問題なし。印象に残ったのは、序盤の (but) not as ... だけだった。

cf. The world economy is improving. But not as much as some investors seem to think. (The Economist)

 

P6: やや易

迷った問題なし。文法的には ..., (and has) と ..., (which has) のどちらでも可能だが、内容から考えて、前者ではなく、後者の supplementary relative を選ばせる設問が印象的だった。

 

P7: 標準

平均すると標準ということになるが、実態はと言えば、難しいセットと平易なセットが入り混じっていた。

 

シングルはやや易→やや難→やや易→やや難という感じで難易度が推移した。ダブルは両方とも難しかった。本文が長く、内容も複雑だった。トリプルは一転して、本文スカスカ、内容も極めて分かり易いものだった。

 

153 番で迷った。announce a reception は「歓迎会を告知する」の意味であって、「受け入れを表明する」の意味には成り得ないと、僕は最終的に判断したのだが、どうだろう。ネイティブの知り合いとかいないので、確認の仕様が無い。それと、迷いはしなかったが、195 番の雲行きがどうやら怪しいようだ。

 

【スコア予想】

リスニングはどうにかこうにか 495 が出ると思われる。リーディングは結構不安。何とか 495 に届いてくれ。

 

【会場】

TKP 心斎橋南船場。初めての場所。これで TKP の会議室は、御堂筋、桜ノ宮、梅田に続き、四箇所目となった。IP CITY HOTEL 内の会議室ということで、華やかな空間を期待していたが、他の TKP の会議室と似たり寄ったりだった。トイレの洗面台の蛇口が手動だったのには辟易した。心斎橋のホテルで手動はないよ。ホワイトグレーのスピーカーが演台に一台、座席は一番右端、という環境だったので、試験開始前は聞こえ具合が心配だったが、音響に問題はなく、杞憂だった。部屋が小さくて助かった。